3.










 よく晴れた空を、白い雲の群れがのんびりと流れている。
 南にリナリアの街を臨む小高い丘の上に、樹齢数百年は数えたであろう樫の老木が立っている。その根元に立ち、木漏れ日に目を細めていたトーリスは、不意に樹上の人影に向かって声を上げた。
「フェリクス、見付かった?」
「勿論だしー。俺の目は誤魔化せんし!」
 大枝に跨って得意そうに手を振ってから、フェリクスは身軽に地上に飛び降りてきた。
「地の魔法陣を刻んだ鏡。洞の奥に隠してあったし」
「そっか、ご苦労様」
 フェリクスの肩を叩いて労いの言葉を掛けながら、トーリスは背後の街を振り返った。
「南に火、東に風、そして北に地……四大元素の鏡か」
「まだ西は調べてないけど、この分だと調べるまでもなくね?」
 夜が明けきらぬうちにローデリヒの館を出て、地道に探索を重ねること数時間。成果は上々と言えるだろう。木立や岩陰、地形を利用して巧妙に隠されていた魔導器を、二人は次々と見付け出した。
 フェリクスの読みは当たっていたようである。魔術師を偽っていたギルベルトは、これらの魔導器を使って、街に結界を施していたのだ。
「とんだペテン師だしー。何でこの程度の手品、誰も見抜けんの?」
「無茶言わないでよ。魔術師ばっかりの村で育ったフェリクスにはわからないかもしれないけど、普通の人は魔術師と接する機会なんて、そう滅多にないんだから」
 トーリスの言うとおりである。広大な国土を誇るフィオレ王国全土を探しても、魔術師の素質を持つ人間はほんの数百人程度しかいない。魔力を持たない一般人にとっては、彼らは全てにおいて未知の存在なのだ。
「ところで、この魔導器って、やっぱり王立魔導院に認可されていないものなのかな?街で簡単に手に入れられるようなレベルのものじゃないってことだけは、俺にもわかるけど……」
「知らんし。詳しいことはエドァルドに訊けだし」
「はあ!?バイルシュミット卿が使ってる魔導器が怪しいって言ったのは、フェリクスでしょ!?」
「俺はあくまで可能性の話をしただけだしー」
 悪びれる様子もなく笑っているフェリクスにがっくりするが、トーリスはすぐに、でも…、と思い直した。
「でも…確かにおかしいよね」
 魔導器はその汎用性と威力の高さから、一般向けに販売されているもの以外は、法によって取り扱いが厳しく定められている。製造・開発に関しての権限は全て王立魔導院が握っており、高位の魔導器をここ以外から入手するすべはないとされている。また、所有・使用に当たっても、王立魔導院の許可が必要だ。
 ギルベルトは街の住民に対して魔術師を偽っている。彼が偽りを続ける為には、この街に結界を張れるだけの力を持った高位魔導器を、王立魔導院の目に留まることなく入手しなければならない。
 「これらの魔導器を、彼は一体どこから入手したのか…。やっぱり、これは是非とも知りたいところだよね………あれ?」
 不意に頭上の空を、黒い影が横切った。顔を上げると、一羽の鷹が優雅な螺旋を描きながら、こちらに舞い降りてくるところだった。トーリスが差し出した腕に、鷹は躊躇うことなくその翼を降ろす。
「エドァルドの遣い?」
 興味津々といった様子で覗きこんでくるフェリクスに、トーリスは頷いた。鷹の足には書簡の入った筒が結び付けられている。抜き取って中を検めたトーリスは、口の端に僅かに皮肉めいた苦笑を浮かべた。
「何て言っとるん?」
 トーリスは無言でフェリクスに書簡を手渡した。文面に目を走らせ、フェリクスは少しばかり目を瞠り、それからにやりと笑ってトーリスを振り返る。
「昨日の今日でこれとか、幾らエドァルドでも、ちょっとばかし仕事早過ぎね?」
「まあね。多分、前々からある程度は見当を付けて、裏で動いてたんだろうね。でなきゃ、こんなに早く結論が出るはずないし」
「トー、上手く利用されとらん?」
「それは仕方ないよ。貴重な情報を流して貰ってる訳だし、結果として彼に一番負担を掛けてる事実は変わらないからね。こっちもこれぐらいの協力はしないと」
 フェリクスから返された書簡を懐に仕舞うと、トーリスは、静かに羽を寛げている鷹に、お行き、と声を掛けた。応えるように鋭い泣き声をひとつ上げて、鷹はトーリスの腕から離れ、西の方角へ向かって飛び去っていく。その空の下にあるのは王国の心臓、不夜の都と呼ばれる王都カサブランカだ。
「……さて。じゃあ、こっちももう一踏ん張りいきますか」
「えー、俺腹減ったしー。パルシュキ食べてからでもよくね?」
「もう、フェリクスはいつも、肝心なときにこうなんだからぁ…」
 トーリスが呆れ顔でぼやいたその時。
「トーリスさん!フェリクスさん!た、大変ですっ!!」
 長いスカートの裾を絡げて丘を駆け上がってくる少女の姿に気付き、トーリスとフェリクスは目を丸くする。
「エリザベータさん…!どうしたんですか?」
 全力で走って来たらしい。頬を紅く上気させ、肩で荒く息を吐きながら、エリザベータは言った。
「ローデリヒさんが……!!さっき、館に…ギルベルトの兵が…押し掛けて来て……」
「――――!!」
「巡見官の館に侵入しようとした不審人物を……匿った疑いがあるからって……」
 しまった、とトーリスは頭を抱えた。やはりローデリヒの申し出を受けるべきではなかった。無理にでも断って、野宿していれば良かったのだ。昨夜の騒ぎの時に、普通に考えれば真っ先に捜索対象になると思われるローデリヒの館に、ギルベルトが何も手を出して来なかったことで油断していた。
「トー何しとるん、行くし!」
 凛としたフェリクスの声が、トーリスの意識を現実に引き戻す。
「あいつがこのタイミングで動いてくれて、寧ろチャンスだと思わん?昨日と違って、今はこっちにも思いっ切り暴れられるだけの理由があるんよ?」
 瞳に不敵な光を湛えて、フェリクスは笑う。トーリスは一瞬息を呑み―――それから仕方がないな、と言ったように苦笑して、頭を掻いた。
「出来れば穏便に済ませたいところだったけど……結局は荒っぽいことになっちゃうんだね……」
「これ以上面倒な立ち回りせんでもよくなって、よかったと思えばいいんだしー」
 二人は顔を見合わせて笑うと、エリザベータに向き直った。
「俺たちはこれから、エーデルシュタイン伯の救出に向かいます。あなたは館で待っていて下さい」
「私も行きます!!」
 エリザベータの手には、何処から取り出したのかやはりフライパンが握られている。
「えっ……でも、危険ですよ」
「お願いです、行かせて下さい!ローデリヒさんがあんなことやこんなことをされている現場を、何もしないで見逃すなんてそんなこと…私には(別の意味で)出来ませんっ!!」
「…………トー………俺、やっぱこの人怖い……」
 先程の威勢は何処へやら、素早くトーリスの後ろに隠れたフェリクスが、情けない声で呟いた。






「街のヤツらの前では名君ぶっといて…ったく、やってくれるぜ。お坊ちゃんよぉ」
 執務室のデスクに頬杖をつき、ニヤニヤと意地の悪い笑みを顔に張り付かせて、ギルベルトは連れて来られた人物をじろじろと眺め回した。そこには両手を縄で縛られ、兵に両脇を押さえられたローデリヒが立っている。
「何のことですか?」
 四面楚歌のこの状況の中、それでもローデリヒは毅然と顔を上げている。
「しらばっくれてんじゃねぇよ。とっくに調べはついてんだ。おまえが人を使って、俺を暗殺しようとしたことはな」
「―――何を訳のわからないことを言っているのですか。この御馬鹿さんが」
「昨夜、この館に不審者が侵入したって話は、おまえの耳にも入ってるだろう?ま、結局は俺様が魔術で格好良く撃退した訳だが。で、そいつらがおまえの館に入って行くのを見たヤツがいるんだよ。どうだ?知らねぇとは言わせねぇぜ」
「……知りません」
 一瞬口籠ったが、ローデリヒははっきりとした口調でそう答えた。
「あくまでしらを切るつもりか」ギルベルトは徐に立ち上がり、ローデリヒに近付くと、髪をぐいと掴んで顔を自分のほうへ向けさせた。
「まあ、認めたくねぇのはわかるぜ。何せ王都から派遣されて来た巡見官にして、宮廷魔術師の俺様を殺そうとしたんだ。単なる殺人未遂容疑だけじゃなく、王宮に対する反逆罪ってことで、発覚すれば爵位剥奪、領地没収の上、一族全員国外追放は免れねぇだろうからな。首謀者に至っては極刑の可能性もある」
 拘束の痛みにローデリヒは喘いだが、ギルベルトを睨みつける視線は鋭いままだ。
「仮に私とその不法侵入者の間に繋がりがあったとして、彼らがあなたを殺害しようとした証拠が何処にあるのです?憶測でこのような軽はずみな真似をするのはおやめなさい」
「侵入者は帯剣していたぜ。俺と話がしたいだけなら、そんなものは必要ないだろう。それに、そいつは街中でもエリザの奴と一緒になって、俺に危害を加えようとしたんだぜ?暗殺が目的でないって証拠が何処にあるんだよ」
 ローデリヒの髪から手を離し、ギルベルトは肩を竦め、ケセセと笑った。
「どう足掻いたところで、おまえは罪からは逃れられねぇんだよ、ローデリヒ坊ちゃん。…だがな、俺だって鬼や悪魔じゃねぇ。おまえがこの街の統治権を俺に譲渡するなら、今回のことは不問にしてやってもいいんだぜ?悪い話じゃねぇだろ?いつまでも強情を張ってると、おまえの一族だけでなく、エリザにも罪が及ぶかもしれねぇぜ」
「卑怯な…………」
 ローデリヒは唇を噛み締めた。狡猾なこの男の罠に嵌ってしまったことが悔しくてならない。しかし、だからといって、自分の行いを悔やむつもりも恥じるつもりもなかった。
「喩え私を屈服させても、偽りを重ねて築いた地位が長続きするとは思えません。あなたの所業はいつか必ず、あなた自身を滅ぼす刃となるでしょう。その時に後悔しても遅いのですよ」
「おまえ、まだ自分の立場がわかってないのか?地位や力なんつーのは、手に入れたその結果こそが全てで、過程なんざ関係ねぇ。わからねぇってんなら…身体で覚えさせてやってもいいんだぜ?」
 言うなりギルベルトは、ローデリヒの胸倉を掴みあげた。唇が触れ合いそうなほど近くに彼の顔が迫り、ローデリヒは思わず息を呑む。―――その時。
「――――ローデリヒさん!!」
 バタバタと音がして、執務室の扉が勢いよく開いた。驚いたギルベルトが顔を上げると、そこには長い髪を振り乱し、フライパンを構えたエリザベータが、物凄い形相で立っていた。
「なっ………!?」
 ギルベルトは絶句した。これまでに衝突し合った経験から、エリザベータが強いことは充分に知っていたが、幾ら彼女でも、たった一人でこの館の警備兵全てを薙ぎ払い、ここに辿り着くのはほぼ不可能だ。予想外すぎる事態に、ギルベルトの額を冷や汗が伝う。
「よ、良かった………間に合っ………」
 エリザベータは瞳を潤ませたが、その声には純粋にローデリヒの身を案じていたとは言い難い、微妙な響きが含まれていた。二人を見詰めるその表情も、安堵というよりは寧ろ期待めいたもののほうが強い。
「エリザベータ!どうしてあなたがここに……!?」
 ローデリヒの声で、エリザベータははっと我に返ったようだった。い、いけない、私としたことが…と頬を染め、おろおろし始めた彼女の姿を見て、ギルベルトも漸く落ち着きを取り戻す。
「どうやってここまで来れたか知らねぇが、この反逆者を庇おうってんなら、おまえも同罪だぜエリザ。それにこの状況だ、おまえ一人で何が出来る?自分の身が可愛いなら、大人しくしてるんだな」
 ギルベルトが手を上げると、室内にいた警備兵が一斉にエリザベータに向かって剣を構えた。同時に、壁のあちこちに飾られていた刀剣の類が全て宙に舞い上がり、エリザベータを取り囲むように散開する。……と。
「いえ、それが…一人じゃないんですよ」
 室内に走った緊張感をぶち壊すような穏やかな声と共に、エリザベータの背後から、栗色の髪の青年が姿を現した。その更に後ろに続いて、金色の髪の少年が部屋に入ってくる。
「おまえらは昨日の……!?」
「警備兵の皆さんには、廊下で寝て貰っています。ちゃんと面会の手順を踏もうと思ったんですけど、皆さん血相を変えて打ち掛かってくるんで、不本意ながら荒っぽい手段を取らせて頂きました。すみません」
 殊更丁重に頭を下げるトーリスに、ギルベルトは瞠目した。
「貧弱なネズミが、警備兵全員ぶっ倒して、ここまで来たってのか!?」
「あの程度の人数でしたら、相手に出来ない訳ではありませんから。領主を招いて密談中の館にしては、警備が手薄でしたね」
 トーリスは穏やかに笑っていたが、深緑の視線は鋭くギルベルトを見据えている。
「喩えどれだけ有利な戦況に立とうとも、一瞬の油断が命取りになるのが戦場というもの。エーデルシュタイン伯を攫ったということは、あなたは俺たちとこの街に対して宣戦布告をしたも同然―――その時から既にこの館は戦場と化しているのです。ならば、勝利を手にする瞬間まで、全力を尽くすのは当然でしょう。目の前の欲で、騎士としての基本までお忘れになりましたか、バイルシュミット卿?」
「き、貴様ぁぁっ………!!」
 引き攣った声でギルベルトは叫んだ。虚空に止まっていた剣が、一斉にトーリス目掛けて降り注ぐ。だが。
「そこまでだし!」
 突然、空間がぐにゃりと歪んだかのような奇妙な違和感が室内に走る。目を見開いたギルベルトの前で、剣は全て力を失い、糸が切れたようにその場で落下した。耳障りな金属音が鼓膜に突き刺さる。
「この程度の魔導器、封じるのなんか朝飯前だしー」
 得意げに胸を張るフェリクスを見て、エリザベータが困惑した声で呟いた。
「ま、魔導器…?」
「バイルシュミット卿」完全に表情を失くしたギルベルトに、トーリスは言った。「俺たちがここへ来たのは、あなたに渡したいものがあるからです。―――王宮議会からの辞令です」
 懐から書簡を取り出すと、トーリスは朗々とした声で読み上げた。
「ギルベルト・バイルシュミット―――官職の詐称及び、リナリア領主に対する脅迫の罪により、王国軍第三騎馬隊隊長及び、リナリア巡見官職を解任するものとする」
「う…そ…だろ……?」
 狼狽するギルベルトの目の前に、トーリスは書簡を広げて見せた。
「国王陛下及び、王宮議会議長フォンヴォック公の印もあります。―――本物です」
「騎馬隊って……ギルベルトは、宮廷魔術師じゃなかったんですか!?」
 戸惑うエリザベータに、フェリクスがあっけらかんとした声で応じる。
「こんな奴、魔術師でも何でもないし。魔導器使って魔術師騙ろうとか、手口が見え見え過ぎてマジウケるしー」
「ギルベルト…あなたという方は……!!」
 ローデリヒが怒りを込めた眼差しでギルベルトを睨み上げる。ぎりっと奥歯を噛み締め、自棄っぱち気味に、ギルベルトは叫んだ。
「殺してやる!こいつら全員、生かして返すな!」
 室内にいた十人ほどの警備兵が、トーリスに襲い掛かった。迫り来る刃の第一派を抜き打ち様に叩き落し、トーリスは戦陣へとその身を躍らせる。一人…二人…屈強な男たちが、線の細い青年に次々と倒されていく。彼の穏やかな風貌からは想像も出来ない、鋭い剣技と鮮やかな身のこなしを目にして、ローデリヒは驚嘆した。
 しかし、この部屋の兵たちは、流石にギルベルトの側近を務めるだけのことはある。トーリスの実力を見て取るや、闇雲に襲い掛かるのを止め、巧みに間合いを取り始めた。持久戦に持ち込むつもりなのだろう。死角に回り込み、いやらしく隙を突く攻撃に、さしものトーリスも苦戦している。
「トーリスさん…!助けなきゃ!」
 フライパンを握り締めて加勢しようとしたエリザベータだが、フェリクスに服の裾を引っ張られて止められる。
「巻き込まれたくなかったら、手ぇ出さんほうがいいし」
「そんな、でもこのままじゃトーリスさんが………!?」
 早口で言い募ったエリザベータは、ふいに周囲を包んだ言い様のない違和感に気付いて、言葉を途切れさせた。この感覚は先程、宙を舞っていた剣が地に落ちた時に感じたものと似ている。そうだ、フェリクスは今、何と言った?巻き込まれる――?
「トー、行くし!!」
 フェリクスが掲げた両手を振り下ろすのと、トーリスが跳び退るのは同時だった。次の瞬間、部屋の床の中央に巨大な魔法陣が浮かび上がる。バチッ!!目も眩む閃光が走り、耳を劈く悲鳴が上がった。
 キナくさい臭いが漂い、白く霞んだ視界に色が戻ったとき、警備兵は一人残らず昏倒していた。トーリスは戦いながら、巧妙に彼らを魔法陣の内側に誘導していたのだ。そして兵たちを仕留めた光―――これは…魔術?
 エリザベータは畏れと感嘆の入り混じった瞳で、フェリクスを振り返った。魔術師?この少年が、本物の?当のフェリクスは眉尻の下がった子供っぽい表情で、によによと笑っている。
「んー、一撃必殺!やっぱ俺天才だし!」
「もう、苦労して警備兵を一ヶ所に集めた俺の努力も評価してよね!」
 フェリクスの自画自賛に抗議の声を上げるトーリスは、とても今まで十人もの兵を相手に戦っていたような猛者には見えない。
「最早あなたに勝機はありません、ギルベルト。観念なさってはどうですか?」
 ギルベルトの蒼白な顔が、ローデリヒのひと言で瞬時に紅潮する。
「ふ、ふざけるなぁ!!俺様は一人だってやってやるぜ!」
 逆上したギルベルトの剣を、トーリスの剣が迎え撃つ。すぐさま、流れるような剣戟の響きが部屋を満たした。
 魔術の方面はともかく、ギルベルトは剣士としては一流だった。本来は、王国軍の一部隊を任されるほどの実力者なのである。だが、この時は動揺が彼の剣の切っ先を鈍らせていた。じりじりと追い詰められ、やがて―――。
「―――!!」
 キン、と鋭い音と共に、トーリスの一撃がギルベルトの剣を弾き飛ばした。
「ここまでです―――バイルシュミット卿」
 喉元に剣を突き付けられ、ギルベルトは再び蒼白になり……へなへなとその場に崩折れた。






第1章・完












Back Next












戻る?

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送