風のかいな















澄んだ空に高らかに鳴り渡る剣戟の響きに重なるように、一際華やいだ歓声が上がった。
 弓を磨く手を止めて、テッドは声の上がった方角を見遣った。見張り台の手前、ブリッジの真上に位置するこの場所からは甲板の全景が一望出来る。
 普段は戦闘員と日光浴を楽しむものくらいしかいない甲板だが、今日はやたらと大勢の人間で賑わっている。甲板で行われていた剣の訓練が、いつの間にやら模擬戦へと発展を遂げていた為だ。主な参加者はかつて海上騎士団に籍を置いていた者たちと海賊の一党。様々なスタイルの剣技による息もつかせぬ打ち合いは、お祭り騒ぎを殊のほか愛するこの船の面々にとっては恰好の祭事となった様子である。
 船縁に沿ってぐるり輪になった人々の中央で、白銀の髪持つ活発そうな少女と、亜麻色の髪のエルフの娘が、肩を抱き合うようにしてお互いの健闘を称えあっていた。あの二人の顔にテッドは微かに覚えがあった。名前は確かジュエルとポーラ。船内で軍主と共にいる姿を幾度か目にしたことがある。上気した頬に僅かに悔しそうな色を滲ませるジュエルの表情を見れば、勝敗の結果はおのずと知れた。先程の歓声はおそらく、ポーラがジュエルの剣を弾き飛ばした時に起きたものだろう。
 二人の後ろ姿が人々の輪の中に消えたのを見届けて、テッドはまた弓の手入れを再開したが、続いて甲板の中央に進み出た二人の若者の姿を認めると再び顔を上げた。
 黒髪の青年はケネス。やはりかつて海上騎士団に属していた者の一人である。ラズリルからの参戦組の中でも取り分け軍主の信頼厚く、テッドも幾度か戦闘で一緒になったことがある。
 そして、もう一人のほうは―――。
「……アイツか」
 スノウ。
 深夜の訓練所で彼と剣を交えたのは二週間ほど前のこと。覚悟だなんだと御託を並べる割には、甘えを捨てきれないその態度にあの時はただ苛々させられたものだったが、今はその表情に微妙に変化が認められるのにテッドは気付いた。
 輪の中央で対峙した二人は、一礼すると腰の剣をすらりと抜き放った。使用するのは刃を潰した訓練用の模擬剣だが、形も重さも真剣のそれと大差ない。睨み合いの時は短く、すぐさま流れるような剣戟が始まった。周囲の人垣から再び盛大な歓声が上がる。
 ケネスの剣技は派手さはないが堅実だ。無駄のない動きで、確実に相手の急所を狙って仕掛けるスタイルは先日の戦闘で目にしたばかりである。だが、周囲から盛んに上がる声援はけして彼だけに向けられたものではなかった。目の前の光景にテッドも思わず僅かばかり身を乗り出す。
 ケネスの鋭い攻撃を、しかしスノウは冷静に受け止めている。その動きも太刀筋も、先日のそれとはまるで違っていた。まだ多少硬さが目立つが、繰り出される剣には躊躇いがない。そこにあるのは深窓の令息に相応しい上品さではなく、ただひたすらに前を向く決意をした者の必死さだった。小手先の技術を駆使するのではなく、未熟であろうとも全力で相手にぶつかっていく気迫。以前の彼には確実になかったものだ。それをこの短期間に手に入れたのだとしたら、その成長ぶりは賞賛に値する。
 テッドの口許がふっと綻んだ。
「…いい顔するようになったじゃねぇか…」
「誰のこと?」
 突然背後から掛けられた声に振り向けば、相手はてっきりあの集団の中にいたのだろうとばかり思い込んでいた人物だった。甲板の打ち合いについ夢中になり、周囲の気配を拾い損ねたことを悔しく思う。殊更渋面を作ってみせたところで時既に遅し。刺すような視線にも何処吹く風で、腰を下ろしたテッドのすぐ隣へと歩を進めると、軍主は眼前に広がる光景へと瞳を向けた。
「うん、いい顔してるね。二人とも」
 尚も甲板で繰り広げられている剣の舞を目に留めて、軍主は眩しそうに目を細める。その横顔を見遣って、テッドは不機嫌そうな声を風に乗せた。
「おまえはあそこにいなくていいのかよ」
「さっきまでいたんだけどね。見物人が増えてきたからこっそり抜け出してきた」
 吹き抜ける風に髪を嬲らせ、欄干に凭れ掛かる姿を見れば、自然と腰の双剣に目がいった。いつもの黒い鞘のそれではなく、今スノウたちが使用しているのと同じ模擬剣ではあるが、それでも頑なに己のスタイルを崩すまいとするかのように、二振りそこにあるのがなんとなく可笑しかった。
「何で二刀流なんだ?」
「え?」
「騎士団てのは何処の国でも大抵、儀礼と伝統とを重んじる集団だろ?体面を気にした小奇麗な剣術を推奨してるもんだと思ってたんだが」
 おまえのそれ、と腰の剣を指差すと、カルマは口の端に薄い微笑を浮かべた。
「答えは簡単。騎士団の剣術だけで僕が強くなるのには限界があったから」
 柔らかな陽射しの中、赤いバンダナが緩やかに風に靡く。
「僕は自分の腕力にそれほど自信があるわけじゃないから。自分と力差のある相手や、複数の敵と互角以上に渡り合う為には、速さと手数で勝負するしかない。それには攻撃と防御の型がはっきり分かれている騎士団の剣術では不足だった。双方を同義とし、一連の動きの中で同時にこなせるようにならなければ意味がない。実際の戦場で重要なのは、勝つか負けるかではなく、生きるか死ぬかだからね。体面を気にして命を落とすのは、それこそ本意じゃない」
 勿論団長たちにはこんなことは言えなかったけどね、と肩を竦める軍主に、テッドは苦笑を返す。
「とんだ猫かぶり軍主だと常々思っていたが、猫の毛皮のオプションは軍主になる以前からついてやがったって訳か」
「大抵の人はこれで騙せるんだけど、君にはどうもこの手は通じないみたいだから。だから隠さないことにした」
「あーそー。そりゃどうも。…ったく、とんだヤツに懐かれたもんだぜ俺も」
「光栄に思ってくれる?」
「寝言は寝てから言え」
 軽口の応酬は、しかし悪い感触ではなかった。いい顔をするようになったのはスノウだけじゃないな…とテッドは思う。無論それを言葉に出すような迂闊な真似はしない。
 きぃん―――と一際鮮やかな金属音が響いた。ケネスが大きく薙いだ一閃が、スノウの手から剣を弾き飛ばしたのだ。歓声の渦巻く中、額に汗を浮かべ荒い息をつくスノウに、ケネスは穏やかな表情で右手を差し出した。スノウも別段悔しそうという素振りも見せず、さっぱりとした笑顔でそれに応える。剣の試合の後ならば然程珍しくもないごく当たり前の光景だったが、カルマは僅かに瞳を伏せて呟いた。
「僕にこんなことを言う資格がないのはわかっているんだけど…嬉しいんだ。みんなのこんな姿、騎士団では絶対に見られることはなかったから」
「……その様子じゃ、原因は坊ちゃまか?」
「スノウは騎士団のオーナーの息子だったから。彼との手合わせでは手加減するのが当たり前だったんだよ。それが騎士団に所属するものの暗黙の了解だった。だけど作り物の枠を失い越えられない壁を取り払われて、初めてみんなお互いの本当の姿に気が付いたんだ。だからもう嘘は必要ない。それが僕には嬉しいんだ…みんなが騎士団にいられなくなる理由を作ってしまったのは僕だから、喜ぶなんて不謹慎だとわかってはいるんだけど…」
 自嘲の滲む声に軍主の内心の複雑さを思い、テッドは溜息と共に天を仰ぐ。目映いばかりの陽光の中、己の姿を偽らずに生きていけることが、果たして万人にとって幸せと呼べるものなのか、答えは誰の胸中にもない。その過程で得るものがあったと同様に、失ったものも必ず存在するのだから。
 だから―――人は後ろを振り返ることをやめられないのだろう。自嘲は重く自身の胸にも跳ね返った。
「…後戻り出来ねぇのなら、先へ進むしかないだろ」
 だから、呟く声に自戒を籠める。
「折角なくなった壁だ。自由を手に入れたんなら有効に活用しない手はないだろ。ま、羽を伸ばしすぎて、真剣みが足りないとか軍師サマに説教されねえように気を付けるんだな」
「それは大丈夫だよ。今やらなくてはいけないことが何なのかぐらい、みんなちゃんと弁えてる。僕も含めてね。なんなら手合わせしてみる?」
 しゃん、と鍔鳴りの音がする。テッドは首を横に振った。
「チャンバラは趣味じゃねぇ」
「スノウとはやったのに?」
 間髪入れずに返された問いに、思わず軽い舌打ちが漏れる。何となくばつの悪い思いで、テッドはむっすりと黙り込み、行き場のない視線を宙に泳がせた。
「スノウが言ったんじゃないよ。僕が無理矢理聞き出したんだ。隠れて擦り傷の手当てをしようとしてるのを見付けてね。彼は転んだだけだって言い張ったけど、ただ転んで出来た傷にしては派手だったから」
 テッドは横目でちらりと軍主を見上げた。碧い眼差しはいつの間にか甲板を離れてテッドのほうに向けられている。緩やかな笑顔のまま、カルマはテッドの隣に腰を下ろした。
「ありがとう」
 一瞬言われた事の意味がわからず、テッドは訝しげな瞬きを繰り返す。
「テッドがああ言ってくれなければ、彼は理想と現実との差異に、多分もっと苦しんだだろうから。彼が目を背け続けているのを知りながら、それでも誰もが言えなかったことを、君はあっさりと示してみせた…もしも騎士団に君みたいな人がいたら、彼の……僕たちの未来は大きく変わっていたのかもしれないって時々思うよ」
「……海上騎士団の団長は大層な人格者だったと聞いたが」
「…う…ん……、まあ…そう思っている人が殆どなのは知ってるけど……ね」
 軍主の口から返ってきた歯切れの悪い言葉に、テッドはますます眉を顰めた。無言で先を促すと、カルマは苦笑混じりの溜息を吐いた。
「…大切な人であることには変わりないよ。今でもね。あの人の元で様々なことを学ばせて貰ったのは事実だし、返しきれないほどのたくさんの恩を受けた。父親っていうのはこんなものなのかなって思ったことも一度や二度じゃない。だけど…剣士としての腕はともかく、騎士として、指導者としてあの人を尊敬することは出来なかった。人間的にという意味でならば…嫌いですらあった」
 恩人を語るカルマの素っ気ない口調に、テッドは少なからず驚かされた。彼が個人に対して嫌悪の感情を露わにすることは非常に珍しい。しかもその相手は彼がかつて所属していた騎士団の団長である人物なのだから、意外と言えばあまりにも意外である。
 かつてガイエン海上騎士団を束ねていたという男の話は、テッドも船内で幾度か耳にしたことがある。グレン・コット。ラズリルの出身者が多く所属するこの船で、その存在はいまだ多くの口から誇らしげに語られた。騎士団の長に相応しい堂々とした人物で、その厳しくも穏やかな人柄と剣の腕によって、周囲から絶大な信頼を寄せられていたこと。もし彼が生きていれば、現在の群島とクールークを巡る情勢は大きく変わっていたに違いないと―――そこまで偉大な人物であったかどうかは彼を直接知らないテッドには伺い知れぬことではあったが、耳に入ってくる話の大半は賛辞の類であったから、悪い印象を抱きようもなかった。そんな人物をカルマが嫌っていたというのがテッドには不思議でならない。
 テッドの疑問符にカルマも気付いたのだろう。視線を蒼穹に向け、ひとつ大きく伸びをする。
「思い込みで同情されるのって、嫌いなんだ」
「…は?」
 長い睫に彩られた瞳は、もう笑ってはいなかった。
「生まれや身分に関係なく、誰にでも公平で分け隔てなく…生前のグレン団長を知る人はそう言うだろうね。出自のわからない孤児の僕のことまで気に掛けてくれて、色々と便宜を図ってくれた。団長はなんて懐の深い人なんだろうって、周りの人はみんな口を揃えて言ったよ。だけどね、みんなは気付いてない。団長が僕の話をするとき、ふた言目には必ずフィンガーフートの名前が出ることを」
 風に散らされた栗色の髪が、彼の横顔をテッドの視界から隠す。表情すら見せないままで、彼は淡々と続けた。
「僕はスノウや他のみんなのように、正義感や愛国心から騎士団に入った訳じゃない。守りたいものを守る為に必要な力や立場を手に入れることさえ出来るのなら、その場所は騎士団でなくたって構わなかった。僕が訓練や勉強を必死になってこなしていたのは、ただスノウの役に立ちたかったから。彼を守れるようになりたかったからだ。将来、ラズリルの領主として街と騎士団とを背負って立つことになるスノウの背中を守ること。それだけが僕の望みだった。だけど、僕がそんなことを考えていたとは露ほども知らずに団長は言った。いずれはフィンガーフート伯の元から独立出来るようにしてやる。スノウの小間使いではなく、一人の騎士としてこの騎士団にいられるようにしてやるって…。それを聞いたとき僕は思った。誰よりも公平でなくてはならないはずのこの人こそが、実は誰よりも伯爵家の権威に取り憑かれている。権力者という言葉に拘り、それだけで物事の本質に目を向けることを放棄していると」
 紡がれる言葉が次第に熱を帯びてくる。膝の上に置かれた手は、いつしか激情を押さえるように固く握り締められていた。相槌を打つこともせず、テッドは静かに耳を傾けた。
「僕の剣の素質を認めてくれたことには感謝している。地道に積み重ねてきた努力を、買ってくれたこともありがたいと思っている。けれど、出自を惜しむ言葉を団長の口から聞く度に、僕はどうしようもないほどの憤りと虚脱感に襲われた。更に団長は、スノウのことは彼の背後に常に控える権威の影に沈めてしまって、最初からその素顔を見ようともしなかった。スノウは確かに伯爵家の子息だけど、彼がラズリルに対して抱いていた思いは僕よりもずっと純粋だったんだ。自分が権力者の側にいる人間だということを自覚していなかったと言ったら嘘になるかもしれないけど、それでもスノウはラズリルを守る騎士になることに誇りを持っていたし、その為の努力は他のみんなと同様に惜しまなかった。彼の立場を気にして、必要以上にその顔色を伺っていたのはいつも僕じゃなく周りにいる人のほうだった。団長は僕たちをスノウとカルマとしてではなく、フィンガーフート家の子息とその小間使いとして見ていたんだ。もし団長が、偏見に捕らわれずにスノウという人間の本質を見てくれていたなら―――ちょっと臆病で融通の利かないところはあるけれども、それ以上に優しくて真っ直ぐな心根の持ち主であることに気が付いてくれていたなら―――いずれスノウは素晴らしい騎士に成長を遂げていただろうと思う。それこそ僕なんか足下にも及ばないほどの…ね」
 再び甲板に響き始めた剣戟の音が耳を掠める。次の参加者による試合が始まったのだろう。カルマは微かに吐息をつき、その音に耳を傾けるかのように瞳を閉じて押し黙った。青い空と碧い海と穏やかな風と、肌を灼く陽射し。世界は広く深く果てしなく、少年のちっぽけな嘆きを受け止めても、尚も揺るがずそこに在る。
「そこで後悔してるところが、おまえらしいっちゃおまえらしいけど」
「…後悔?」
「おまえ、本当は好きだったんだろ?団長のこと」
「…言ってる意味がよくわからないんだけど…」
「父親のように思ったこともある…本当に嫌ってる人間のことを、そんなふうに呼んだりはしねえよ」
 ふ、と和んだ琥珀に、カルマは複雑な表情を見せる。
「自分にとっての大切な存在を、わかろうともせずに否定されたことに対する反発ってやつか?父親に結婚を反対された娘の心境とでも言えばわかりやすいかな」
「…嫌な例え方をするね」
「でも否定はしないんだな」
 拗ねたように頬を膨らませるカルマの頭に手を置いて、テッドはその栗色の髪をくしゃっと掻き乱すように撫でた。
「わかり合えないままに逝かせてしまったことを、後悔してる…そういうことだろ?」
「……そう…かもね」
 答える瞳は、切なげな光を湛えて微かに揺れる。
 喪った存在に馳せる思いには嫌というほどの覚えが自分にもある。後に残された場所が空虚であれば、時にはそれを憎しみで埋めねばならぬこともあるだろう。だが、それでも忘れることだけは出来ぬのは、やはりその存在が自分にとって大きかったからに他ならない。
 そしてきっとグレンがカルマに向けていた思いも、同情などではなかったのだろう。純粋に、父親が息子を愛するように。ただその絆をいとおしく思っていたのに違いない。
 (おまえにとって騎士団の連中は、やっぱり『家族』なんだな―――)
 身を切るほどの後悔に苛まれることがあっても。そこに吹く風が穏やかであるのなら、まだまだ世界は捨てたもんじゃないのかもしれない。どれほどに傷ついても、それでも最後には必ず未来へと向けられるカルマの瞳を見る度に、テッドはそう思うのだ。
「孝行息子になれなくてごめんって、謝ってやればいい。きっとわかってくれるさ」
「さあ、どうだろうね…?気が向いたらそうしてみるよ」
「……意地っ張りだなおまえも」
「反抗期なんでね」
 咎めるでもなく呟いた声に、穏やかな笑みが返される。煌く二つの碧い海はどこまでも澄んで透明で。
 と。
「カルマーーー!!」
 集う人々のざわめきを押し退けるように一際大きく甲板から伸び上がった声に振り向くと、そこには今も尚掛け替えのない仲間たちの心からの笑顔があった。
「何やってるのーーー!?次はカルマの番だよーーー!」
 両手をメガホンにして、溌剌とした声を張り上げるのはジュエル。早く来い、とばかりにタルが大きく手を振るのも見える。穏やかな笑顔でこちらを見上げる瞳。ケネス、ポーラ。そしてスノウ。
 美しいだけではなかった世界で、それでも見付けた優しい宝たち。
 きっとそれが、僕の家族―――還る場所。
「今行く!」
 勢いをつけて立ち上がろうとしたその手首を不意に掴まれて、カルマはがくんと体勢を崩す。何事かと驚きに見開かれる視線の先、テッドは挑むような笑みを唇に乗せた。
「乗った」
「え?」
「手合わせするかって言ってたろ?」
 膝の上の弓矢を脇に退けて、テッドは徐に立ち上がり、カルマの腰から剣の片方を抜き取った。
「チャンバラはしないんじゃなかったの?」
「気が変わった。生意気なクソガキに世の中の厳しさを教えてやらないとな」
「言っておくけど、僕は手加減はしないよ」
「ぬかせ。嘴の黄色い若造ごときに負けるか。人生経験の差ってヤツを見せてやるよ」
 足を踏み出したのはどちらが先だったか。歩みはやがて駆け足となり、風のように軽やかに甲板を駆け抜けた。出迎える皆の輪の中へと我先に駆け込む。軍主の訪れを待っていた女海賊が苦笑と共に空けたその場所で、弾む息のままに対峙した二対の瞳は、どちらも子供のように鮮やかに輝いていた。


 青い空と碧い海と穏やかな風に包まれて。
 頬を撫でる優しい感触はあの人の笑顔に似ていたと、ふとそんなことを考えた。


 
















おかしいな…予定ではもうちょっと4様が前向きになるはずだったんだけど…。
そしてグレン団長好きな方にはごめんなさい…!!ゲームやったとき、あの人の
凄まじいまでの4主贔屓っぷりに素で引いてしまった人なので…私。
それでも団長は、多分4主に『父親』というものを意識させた初めての人ではないかとも思うので
一応フォローにもなってないフォローも入れてみました(苦笑)
ラズリルメンバーは全員揃って『家族』だといいなぁ…。
4様の本当の生まれはオベル王家であって欲しいけど、ラズリルメンバーとの絆はまた別格で好きなのですvv





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